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Wix は、サーバーを借りずにテンプレートを選んで管理画面だけでサイトを作れるサービスです。イスラエルの Wix.com が提供しています。
この記事では、公式の料金ページに書かれている条件に加えて、プランの間で何が変わるのかとエラツクが9種類の構築方法を同じ物差しで採点した結果を出します。Wix の料金ページはプランごとの機能表が長く、最も安いプランに何が並んでいないかが読み取りにくい形になっています。
金額は、2026年8月2日時点のものです。料金は、改定されることがあるため、契約の前に公式の料金ページをご確認ください。
無料版を実際に触って分かったこと
2026年8月13日に無料アカウントで新しいサイトを作り、AI の質問、追加する機能の選択、ダッシュボード、ブログ、フォームを確認しました。サイトの公開、有料プランの契約、フォームの送信は行っていません。
最初にAIとのチャットを使うか選ぶ
新規サイトを作ると「理想のサイトを形にしましょう」という画面が出ました。AI とのチャットを始めるほかに、「チャットをスキップ」も選べます。
今回は、地域の小さなカフェで、メニュー、お知らせ、店舗情報、問い合わせフォームを載せると入力しました。AI は、店名、予約や注文の要否、店の特徴を順に質問します。回答が終わると、サイトの種類、目標、想定する読者、追加するアプリがまとめられました。
AI の提案は、続行する前に見直す必要があります。 「予約やオンライン注文は不要」と答えましたが、レストラン注文と座席予約が最初から選ばれていました。不要な2つを外し、レストランメニューとフォームだけを残して進められました。
生成後の編集画面には、入力した店の特徴に合わせた見出し、文章、写真、メニュー、ブログ、店舗情報が入っていました。右側の AI へ修正を頼めます。画面内の「サイトを編集」から手動でも直せます。
生成された内容を確認せずに公開することはできません。 今回は、入力していない住所、営業時間、電話番号が入りました。予約は不要と答え、座席予約アプリも外しましたが、「今すぐ予約」というボタンも生成されました。いずれも公開前に実際の情報へ直す必要があります。
AIを使わず無料テンプレートからも始められる
Wix のテンプレート一覧には、建設会社、不動産、コンサルタント、フィットネス、医療など、業種ごとの完成イメージが並んでいます。「編集」で作り始める前に、「表示」で見た目を確認できます。
Wix のページではテンプレート一覧を無料と明記しており、STUDIO のように有料テンプレートを別に販売する区分は確認できませんでした。Wix ではテンプレート自体を無料で選び、独自ドメイン、広告の非表示、決済など、公開と運用に必要な機能で有料プランを選ぶ形です。
写真、文字の大きさ、余白、ページの区切りが入った状態から始められるため、白紙から組むより完成形へ近づけやすくなります。ただし、テンプレートの文章と写真は見本です。自社の内容へ差し替え、パソコンとモバイルの両方で確認する必要があります。
ダッシュボードに作業の順序が出る
作成後のダッシュボードには、独自ドメイン、メニュー、決済方法、サイトのデザインなどの設定項目が並びます。左側には、販売管理、ブログ、アプリ、マーケティング、顧客管理、アクセス解析などがあります。
独自ドメインの欄には「接続する」がありますが、画面上部には「アップグレード」も表示されます。無料版のまま独自ドメインを接続できないという公式ヘルプの説明と一致しました。
ブログとフォームは管理画面から作れる
ブログには、公開済み、下書き、承認待ち、投稿予約済み、ゴミ箱の区分があります。AI によるサイト生成後は、カフェのメニューや店の雰囲気について書かれた見本の記事が3件入っていました。サイト自体の「公開」は押していません。
フォームの管理画面では、サイトに置くフォームと回答内容を同じ場所で管理できます。今回の無料版では「0/4」と表示され、最大4件までフォームを作成できる案内が出ました。作成ボタンには「Create Website Form」という英語も混在しています。
生成には待ち時間があり、最初の読み込みではエラーが出た
デザインの手順では、AI に入力文からサイトを生成させる方法とカフェ向けのテンプレートから選ぶ方法が並びました。AI による生成を選んだ直後は、読み込み画面が続いたあとに500エラーが表示されました。
ダッシュボードへ戻り、あらためて「サイトをデザイン」を開くと生成済みの編集画面へ進めました。最初のエラーだけを見て作成に失敗したと判断せず、ダッシュボードから開き直すことで続けられる場合があります。今回は、この開き直しで編集画面、生成されたページ、見本のブログ記事まで確認できました。
パーソナルには、販売と予約の機能が並んでいない
料金ページのプランには、それぞれ1行の説明が付いています。
| プラン | 月額(税別) | 説明に書かれているもの |
|---|---|---|
| パーソナル | 1,300円 | 告知サイトやフリーランス向け |
| スモールビジネス | 2,300円 | 標準的なネットショップ&サービス予約機能 |
| ビジネス | 2,700円 | 高機能なネットショップ&サービス予約機能 |
| ビジネスプライム | 13,500円 | 企業レベルのネットショップ&サービス予約機能 |
ネットショップと予約に触れているのはスモールビジネス以上の3つだけです。 パーソナルの説明は、「告知サイトやフリーランス向け」で、決済の記載もありません。
機能比較表でも同じ形が見えます。「オンライン決済」「販売プラン・定期払い」「顧客アカウント機能」「お問い合わせフォーム」といった項目は、値が3つしか並んでいません。 4つのプランに対して、3つなので、いずれかが対象外です。
売ることや予約を受けることが目的なら実質的な出発点は月2,300円(税別)のスモールビジネスになります。 1,300円で比べると必要な機能が入っていない金額どうしを並べることになります。
表示価格に税が含まれず、一括で請求される
料金ページには次のように書かれています。
「表示料金は月額ですが、購入時に選択された利用期間分の料金全額が一括払いで請求されます。表示料金には請求先住所を基に適用される税金は含まれません」
読み取れることが2つあります。
- 表示は、税別です。 税込で表示しているサービスと並べると表示額のままでは順序を読み違えます
- 毎月引き落とされる形ではありません。 選んだ利用期間の全額が最初に請求されます
エラツクのノーコードツールの比較は、金額の横に税込・税別・記載なしのどれかを必ず出しています。税の扱いが揃っていないことを前提に見てください。
独自ドメインは1年目だけ無料
全プラン共通の特典として、「〇〇.com などの独自ドメインが1年間無料」と書かれています。初年度無料のクーポンという形で、対象は、.com / .net / .org / .info / .biz / .rocks / .pictures / .co.uk / .club / .space / .xyz です。
契約中ずっと無料になるレンタルサーバーの特典とは違い、2年目からはドメインの費用が別にかかります。 エラツクの料金シミュレーションは、2年目からのドメイン代を含めて試算しています。
なお、公式ヘルプには「ドメインを Wix サイトに接続するには、サイトをアップグレードする必要があります」と書かれています。無料版のままでは独自ドメインを接続できません。 無料プランで作れる範囲を他社と並べたものはホームページは無料でどこまで作れるかにあります。
料金表にあっても日本語では使えない機能がある
機能比較表の中に次の注記が付いた項目があります。
- Site Booster アプリ(検索エンジンへの掲載と順位の対策)… 「現在日本語では利用不可」
- Modalyst ドロップシッピング(在庫を持たずに発送する機能)… 「現在日本語では利用不可」
プランの表に並んでいても日本語環境では使えないものがあります。 上位プランを選ぶ理由がこの2つだった場合、判断が変わります。
プランで変わるもの
| 確かめること | パーソナル | スモールビジネス | ビジネス | ビジネスプライム |
|---|---|---|---|---|
| サイト管理者 | 最大2名 | 最大5名 | 最大10名 | 最大100名 |
| データ容量 | 2GB | 50GB | 100GB | 無制限 |
| マーケティングパッケージ | ライト | ベーシック | アドバンス | プライム |
| 独自ドメイン | 初年度無料 | 初年度無料 | 初年度無料 | 初年度無料 |
管理者の人数が最初の分かれ目になります。 制作を外部に頼みながら社内でも更新する体制だと、パーソナルの2名では足りなくなることがあります。
データ容量の差も大きく、パーソナルの2GB とスモールビジネスの50GB では25倍あります。写真を多く載せるサイトでは効いてきます。
公開できるページ数の上限は、料金ページに書かれていません。 上限が無いという意味ではなく、記載が無いという意味です。ページ数で選ぶなら上限が明記されている STUDIO・ペライチ・ジンドゥーのほうが確かめやすくなります。
全プラン共通で Wix のロゴを非表示にできることと24時間受付のカスタマーケアが付くと書かれています。
9種類の構築方法の中でどこに位置するか
エラツクは、WordPress から制作会社への依頼まで9種類の構築方法を同じ5段階で採点しています。段階の意味は先に決めてあり、サービスごとに基準を変えていません。 Wix の評価は次のとおりです。
| 評価する軸 | 5段階 | そう判断した理由 |
|---|---|---|
| 公開後の更新のしやすさ | 5 | 編集画面で要素を置いて公開まで進められます。サーバーの操作は要りません |
| 保守の手間の少なさ | 5 | サーバーとソフトウェアの更新は Wix 側が行います |
| デザインの自由度 | 4 | テンプレートを起点に要素を自由に配置できます。テンプレートを後から別のものへ入れ替えることはできません |
| 機能の拡張・外部連携 | 4 | アプリを追加して機能を足せます。プランによって使える機能とデータ容量が変わります |
| ネット販売への対応 | 3 | 料金ページに販売プラン・定期払いの項目があり、販売機能を扱えます。専業の EC サービスと比べると決済まわりの選択肢は限られます |
更新と保守が最高点で、自由度と拡張性が4という形です。同じノーコードでも STUDIO は、デザインの自由度が5、ジンドゥーは、3で、Wix は、その間に位置します。
同じ物差しで9種類を並べたものは構築方法の比較にあります。5段階が何を意味するかの定義もそこに出しています。
できることとできないこと
診断で使っている6つの機能について、Wix がどう対応するかを整理したものです。
| 機能 | 対応 |
|---|---|
| ブログ・お知らせ | 標準機能 |
| 問い合わせフォーム | 標準機能 |
| 商品の販売・決済 | 標準機能(スモールビジネス以上) |
| 予約受付 | アプリで追加 |
| 会員機能 | アプリで追加 |
| 多言語対応 | アプリで追加 |
販売が標準機能なのはノーコードツールの中では強いほうです。 ただし、専業のサービスとは費用の形が違うので、売ることが主目的ならネットショップの手数料比較で確かめてください。
契約してから戻せるか
- 14日間の全額返金保証があります。 「プラン利用開始日から14日以内にキャンセルした場合、プラン料金が全額返金されます」と書かれています
- 利用期間分が一括で請求されます。 月ごとの引き落としではありません
- ほかのサーバーへ移すことはできません。 公式ヘルプに「サイトが正常に動作するには、Wix のサーバーで操作・ホスティングされる必要があります」と明記されています
3つ目について、同じヘルプには「Wix で作成したコンテンツはユーザーに帰属します」とも書かれています。中身は自分のものだが、動く場所は、Wix に限られるという形です。移るときは、作り直しになる前提で選ぶことになります。サイトの乗り換えでデータを持ち出せるかで構築方法ごとの違いを説明しています。
こういう場合に向く
- 公開後は、文章と写真の差し替えが中心になるサイト。 更新のしやすさと保守の手間の少なさがどちらも5段階の5です
- 販売も予約もまとめて扱いたいサイト。 スモールビジネス以上なら同じサービスの中で扱えます
- 1年目の費用を抑えたいサイト。 独自ドメインが初年度無料です
- 試してから決めたい場合。 14日間の全額返金保証があります
別のサービスも検討したほうがよい条件
- 月1,300円で販売や予約もしたい場合。 パーソナルの説明と機能表にこれらの項目が並んでいません
- 公開するページ数を先に確かめたい場合。 料金ページに上限の記載がありません
- 税込の金額で予算を組みたい場合。 表示料金に税は含まれません
- 将来ほかのサーバーへ移す可能性がある場合。 Wix のサーバー上でだけ動く作りだと明記されています
- 無料のまま独自ドメインで公開したい場合。 接続にはアップグレードが必要と書かれています
判断のしかた
Wix の料金を同じ用途のツールと並べたものはノーコードツールの比較にあります。税の表記と公開できるページ数まで含めて比べられます。
3年間でいくらになるかは、料金シミュレーションで試算できます。独自ドメインが初年度だけ無料なので、2年目からの費用を含めた総額は、ここで確かめてください。
そもそもノーコードで作るのが合うかどうかは、目的と更新体制で変わります。無料の診断は、9つの質問からこれをまとめて採点し、Wix を含む9種類の構築方法を上の5軸で並べます。順位は、回答と各社の公開情報だけから決めており、紹介料の有無は影響しません。