飲食店なら営業時間とメニュー、歯科医院なら予約、ハンドメイド作家なら販売。業種が違うと必要なものもまったく違うように見えます。

ただし、エラツクが構築方法を比べるときに見ている機能は 6 つです。そのうち業種のタイプで分かれるのは 2 つで、残りの 4 つは業種ではないもので決まります。

この記事は、はじめに 6 つの機能を並べます。次に業種のタイプごとに、どれが必要になりやすいかを示します。必要な機能が構築方法の選択にどう効くかは、そのあとで見ていきます。

サイトを作るかどうかそのものを迷っているなら、サイトは本当に必要かを先に読んでください。あちらは作るかどうか、この記事は作ると決めたあとの話です。

構築方法の選択に効いてくる機能は 6 つ

サイトに載せられるものは、細かく見ればきりがありません。エラツクが構築方法を比べるときに見ているのは実現の手段が構築方法によって変わる次の 6 つです。法令で決まっている表示や地図の埋め込みのように、どの構築方法でも同じようにできるものは入っていません。

機能何をするものか
問い合わせフォームサイトから連絡を受け取ります
ブログ・お知らせ新しい情報を足していきます
予約受付サイトの上で予約を受けます
商品の販売・決済サイトで売って、支払いまで受けます
会員機能決まった相手にだけ見せます
多言語対応別の言語の表示を用意します

写真の見せ方やデザインは、この表に入っていません。あるか無いかで分かれるものではないためです。ただし、どこまで自由に作れるかには構築方法ごとに差があります。そちらは「同じタイプの中でも判断が分かれるところ」で扱います。

業種ごとに必要になりやすい機能

業種のタイプごとに、必要になりやすい機能を並べます。

業種のタイプ必要になりやすい機能
来店型(店舗・施設)
たとえば飲食店
問い合わせフォームとブログ・お知らせ
予約型(施術・診療)
たとえば歯科・クリニック、美容室・サロン、整体・治療院
問い合わせフォームと予約受付
依頼型(専門サービス)
たとえば士業、不動産
問い合わせフォームとブログ・お知らせ
施工型(現場仕事)
たとえば工務店・リフォーム
問い合わせフォームとブログ・お知らせ
教室型
たとえば学習塾・教室
問い合わせフォームと予約受付
物販型
たとえばハンドメイド作家
商品の販売・決済
制作・表現型
たとえば写真家・デザイナー
問い合わせフォーム
企業・団体型問い合わせフォームとブログ・お知らせ
発信型ブログ・お知らせ
非営利・コミュニティ型問い合わせフォームとブログ・お知らせ
個人型決まったものはありません

タイプは業種名ではなく、相手とサイトがどう関わるかで分けています。自分がどれに当たるか迷ったら、相手がどう来るかで選んでください。来て買うなら来店型、予約してから受けるなら予約型、相談から始まるなら依頼型です。

ここに出ているのはその業種でよくある形です。当てはまらないこともあります。同じ飲食店でも、テイクアウトを売るなら商品の販売・決済が要ります。

表から分かる 2 つのこと

1 つ目は、問い合わせフォームとブログ・お知らせが、タイプをまたいで広く出てくることです。問い合わせフォームは 11 のタイプのうち 8 つ、ブログ・お知らせは 6 つに出てきます。出てこないのは物販型・発信型・個人型の 3 つです。前の 2 つは注文や投稿そのもので相手とやりとりし、個人型は決まった形がありません。どちらも、業種名よりも「連絡をどこで受けるか」「伝えたいことが増えるか」で決まります。

2 つ目は、予約受付と商品の販売・決済が、限られたタイプにしか出てこないことです。予約受付は予約型と教室型、商品の販売・決済は物販型だけです。

会員機能と多言語対応は、どのタイプにも出てきません。要らないという意味ではなく、業種からは決まらないという意味です。この 2 つは相手が誰かで決まります。海外の相手に売るなら多言語対応が必要ですし、決まった相手にだけ見せたい情報があるなら会員機能を使います。

つまり、業種のタイプから見当が付きやすいのは 2 点です。予約受付が要るか、商品の販売・決済が要るか。サービスの運営元や制作会社が出している業種別の解説を何本も読む必要はありません。この 2 点を決めるほうが早く進みます。

予約については、もう 1 つ決めることがあります。サイトの上で予約を受け付けるのか、電話や外部の予約サービスに任せるのかです。外部の予約サービスを使っていて、そこを変えるつもりが無いなら、サイト側に予約の仕組みは要りません。リンクを置くだけで済みます。

予約受付と商品の販売は構築方法で実現の手段が変わる

問い合わせフォームやお知らせと違い、この 2 つは構築方法によって実現の手段が変わります。実現の手段は、次の 4 つに分かれます。

実現の手段意味
標準機能追加の契約なしで使えます
追加で利用可能公式のアプリや追加の契約で使えます
作り込みが必要外部のサービスを埋め込むか、開発が要ります
対応手段なしその機能を実現する手段がありません

この 2 つの機能について、9 種類の構築方法を並べます。

構築方法予約受付商品の販売・決済
WordPress(レンタルサーバー)追加で利用可能追加で利用可能
STUDIO作り込みが必要作り込みが必要
Wix追加で利用可能標準機能
ペライチ標準機能標準機能
ジンドゥー(Jimdo)作り込みが必要標準機能
Shopify追加で利用可能標準機能
BASE作り込みが必要標準機能
静的サイト(自作・独自開発)作り込みが必要作り込みが必要
制作会社に依頼作り込みが必要作り込みが必要

構築方法の比較が持っているデータから並べています。各社の公式ページと公式のヘルプで確かめたもので、6 つの機能すべての対応もそちらにあります。

9 種類のうち、予約受付と商品の販売・決済の両方が標準機能なのはペライチだけです。STUDIO で商品を売るなら、外部のネットショップを埋め込むか、そちらへリンクする形になります。デザインの自由度を理由に STUDIO を選ぼうとしていて、いずれ販売もしたいなら、ここが分かれ目になります。

「作り込みが必要」は、できないという意味ではありません。外部のサービスを埋め込むか、開発を頼む作業が残ります。渡された埋め込みのコードを貼るだけで済むこともありますが、そうとは限りません。見た目がサイトと揃わなかったり、スマートフォンでの表示が崩れたり、埋め込みそのものが許されていなかったりします。試せるなら、契約する前に確かめておくと安心です。

更新の頻度は、業種ではなく変わるものの種類で決まる

必要な機能と並ぶもう 1 つの軸が、更新の頻度です。更新の頻度は業種名で決まるように見えて、実際は「何が変わるか」で決まります。

業種のタイプ変わりやすいもの
来店型(店舗・施設)営業時間・定休日
予約型(施術・診療)メニューと料金・初めての方向けの案内
依頼型(専門サービス)実績・対応できる範囲
施工型(現場仕事)施工した事例の写真
教室型時間割・月謝・休講の知らせ
物販型商品と在庫
制作・表現型作品
企業・団体型会社の情報・採用の案内
発信型記事
非営利・コミュニティ型活動の報告・担当者の交代
個人型決まったものはありません

同じ飲食店でも、日替わりのメニューを載せるなら毎日変わります。店の情報だけを置くなら年に数回です。同じ士業でも、判例や制度の解説を書き続けるのか、事務所の情報だけを置くのかで頻度がまったく違います。業種名から頻度を決めず、自分のサイトで何が変わるかを先に数えてください。

頻度が高いほど、管理画面から自分で更新できることが効いてきます。逆に年に数回しか変わらないなら、更新のしやすさより作るときの費用や見た目のほうが判断に効きます。更新が続かなくなる仕組みは更新が続かない理由で扱っています。

更新を誰が担うかで選ぶものが変わる

もう 1 つ決めることがあります。誰が更新するかです。

  • 本人が更新する。管理画面から文章と写真を差し替えられる必要があります
  • 従業員が交代で更新する。手順が簡単で、間違えても戻せることが条件になります
  • 外部に頼む。更新のたびに費用と待ち時間が発生します

現場の写真が増えていく仕事なら、撮る人と載せる人が別になることがあります。時間割のように、作る人と更新する人が分かれるものもあります。渡す手順を決めていないと頻度がどれだけ低くても更新は止まります。撮影・原稿・掲載を誰が担うかを先に決めてください。

誰が更新するかは業種で決まりません。自分で決める必要があります。任せる場合の範囲の決め方は制作会社の選び方にまとめています。

同じタイプの中でも判断が分かれるところ

必要な機能が同じでも、何を優先するかは分かれます。分かりやすいのが予約型です。

業種重視されやすいもの
歯科・クリニック公開後の更新のしやすさ・保守の手間の少なさ
整体・治療院公開後の更新のしやすさ・保守の手間の少なさ
美容室・サロン公開後の更新のしやすさ・保守の手間の少なさ・デザインの自由度

3 つとも予約を受ける業種で、必要な機能も同じです。重視されやすいものも 2 つまでは同じで、美容室・サロンにだけデザインの自由度が加わります。ただし、これは業種名で決まるものではありません。店の雰囲気そのものを選ぶ理由として伝えたいなら、同じ予約型でもデザインの自由度が効いてきます。

これは「美容室にはこのサービス」という話ではありません。同じ機能が要る業種の中でも、優先するものが分かれるということです。優先するものが違えば、選ぶ構築方法も変わります。

業種別の解説を読むときに確かめること

サイト作成サービスの運営元や制作会社は、業種別の解説記事を数多く公開しています。書いている人によって結論が変わるので、読むときに確かめておくと役に立つことが 3 つあります。

  1. 誰が書いているか。この記事を書く前に読んだ業種別の解説 6 本は、すべて自社サービスの申し込みか制作会社への問い合わせに着地していました。書いてあることが間違っているわけではありませんが、選択肢が最初から絞られていることがあります
  2. 業種を入れ替えても成立する内容になっていないか。「業種別」を名乗りながら写真を載せる・料金を書く・アクセスを載せるといった、どの業種でも同じことしか書いていない記事があります
  3. 更新の話が書かれているか。作るところまでで終わっている記事は、公開後にかかる手間を判断材料に入れていません

エラツクは、診断の順位に紹介料を反映させない方針を持っています。そのため、業種から特定のサービスを勧めることをしません。業種から分かるのは条件の見当までで、そこから先は答えた条件で順位が決まります。

業種のほかに決めることが残る

業種から見当が付くのは必要な機能と何が変わりやすいかの 2 つです。診断はこのほかに、何のために作るか・初期費用と月額の上限・自分で更新するか任せるか・コードを書くか・いつまでに公開したいか・外せない契約の条件を聞きます。とくに次の 3 つは業種では決まらないので、先に決めておくと早く進みます。

  • 毎月いくらまでなら続けられるか
  • いつまでに公開したいか
  • 自分で更新するか、任せるか

診断は業種を伝えるとその業種でよくある条件を並べます。選ぶかどうかはこちらでは決めないので、当てはまるものだけを選んでください。

条件を入れた総額を先に見たいなら費用の試算、選択肢そのものを横に並べて見たいなら構築方法の比較から読んでください。判断が分かれる条件の全体像は判断を分ける5つの条件にまとめています。