「どの制作会社がよいか」から調べ始めると、判断はなかなか進みません。依頼の結果を分けるのは会社の名前より、何を決めてから頼んだかのほうです。決まっていない項目が多いまま見積もりを取ると、会社ごとに違う前提の金額が並び、比べられなくなります。

制作会社の費用は依頼内容と会社によって大きく変わり、公表されている料金がありません。そのためエラツクでは制作会社の金額を出しておらず、この記事にも相場としての数字は出てきません。代わりに、見積もりを受け取ったあとに自分で判断するための見方を整理します。自分で作る方法と並べて比べたい場合は作り方の比較に9種類を載せています。

見積もりを取る前に決めておくこと

先に決めておく項目は、そのまま見積もりの前提になります。決めていない項目があると、会社ごとに違う前提で埋められます。

決めておくこと決まっていないと見積もりで何が起きるか
誰に何をしてほしいサイトか会社ごとに提案の方向が変わり、比べる対象が揃いません
ページ数と、載せる内容を誰が用意するか原稿と写真の作成が入る見積もりと、入らない見積もりが混ざります
公開したい時期期間の前提が変わり、費用に含まれる人手も変わります
公開後に誰が更新するか管理画面を付けるかどうかが変わり、納品物が変わります
出せる金額の上限範囲の違う提案が並び、金額だけを見て選ぶことになります

要件が固まっていなくても依頼はできます

制作会社に依頼する利点の1つは、何をどう作るかから相談できることです。エラツクもこの作り方が向く条件として「社内に作る人がいない」と「要件が固まっていない」の2つを挙げています。要件が固まっていないこと自体は、依頼の妨げにはなりません。

ただしその場合に頼んでいるのは、制作だけでなく要件を整理する工程も含みます。整理が終わるまで金額が確定しないのは自然なことで、この段階で複数社の見積もりを金額だけで比べても、比べたことにはなりません。要件を決めるための相談と、決まった要件に対する見積もりは、分けて考えてください。

見積もりは金額より含まれる範囲を見る

同じようなサイトに見えても、見積もりの金額差は「安い・高い」ではなく「どこまでやるか」の差であることがあります。金額を並べる前に、次の項目が入っているかを確かめてください。

  • 文章と写真は誰が用意するか。取材・撮影・原稿の作成が含まれるか
  • デザインの修正は何回まで含まれるか。その回数を超えたあとはどう扱うか
  • スマートフォン向けの表示が含まれるか
  • 独自ドメインとSSL(通信の暗号化)の設定、サーバーの契約は誰が行うか
  • 公開後の不具合対応が、いつまで含まれるか
  • 毎月かかるもの(サーバー・ドメイン・保守)が、制作費と分けて書かれているか

「一式」とだけ書かれた行があれば、そこに何が入っているかを聞いてください。含まれていないと分かった項目は、あとから追加費用になります。追加になること自体が問題なのではなく、見積もりの時点でそれが分からないことが問題です。

一度だけ払う額と、毎月払い続ける額を分けて見る点は、自分で作る場合と同じです。費用の分け方はホームページの費用にまとめています。

納品物として何を受け取るか

作り終わったあとに手元へ残るものを、契約の前に確認しておきます。ここが曖昧だと、別の会社に頼み直したくなったときや、自分で更新したくなったときに動けなくなることがあります。

受け取るもの確認すること
独自ドメイン契約の名義が自社になっているか
サーバーの契約自社の契約か、制作会社の契約の一部を借りる形か
管理画面のアカウント内容を編集できる権限を渡してもらえるか
サイトのデータ画像の元データを含めて受け取れるか

作り方によって、あとから自分で触れる範囲が変わります

制作会社への依頼は、それ自体が1つの作り方ではなく「作る人の決め方」です。実際にどの仕組みで作られるかは依頼先によって変わり、そこで公開後にできることが決まります。

エラツクは制作会社に依頼した場合の更新のしやすさを5段階で3としています。この評価は公表された事実ではなくエラツクの判断で、点数が中間なのは「納品時に選ばれた仕組みによって変わる」ためです。

  • WordPress で納品されれば、管理画面から記事とページを追加できます。一方で本体・テーマ・プラグインの更新作業が自社側に残ります
  • 個別に作り込んだ仕組みで納品されると、更新のたびにファイルの編集と公開の作業が必要になることがあります

どの仕組みで作るかは、見積もりの前に聞けます。自分で更新したいなら、それを伝えたうえで提案してもらってください。作り方ごとの更新のしやすさは作り方の比較に、点数とその理由を並べています。

公開後の更新を誰がやるか

エラツクが制作会社への依頼で挙げている注意点の1つが、公開後の更新体制を契約時に決めておくことです。ここを決めずに公開すると、直したいときに誰へ頼めばよいか分からない状態になります。

体制契約で決めること自社に残る作業
自社で更新する管理画面付きで納品してもらい、操作の説明を受ける更新作業と、仕組みの更新作業
保守契約で任せる対応する範囲と、月にどこまで依頼できるか依頼と、公開内容の確認
決めないまま公開する決めていないため、都度の相談になります直したいときに毎回見積もりを取ること

保守契約があれば手間は移せますが、契約がない場合は納品物の管理が自社に残ります。どちらが向くかは更新の頻度で変わります。ほとんど更新しないサイトなら都度の依頼で足りますし、週に何度も直すなら自分で触れる形のほうが向きます。この分かれ方はサイトの作り方はどう選ぶでも扱っています。

複数社に聞くときは条件を揃える

複数の会社に見積もりを頼むこと自体は、特別なことではありません。ただし会社ごとに違う説明をすると、返ってくる金額は比べられません。

  1. 決めておくことを1枚にまとめ、全社へ同じものを渡します
  2. 決まっていない部分は「決まっていない」と書きます。空欄にすると、会社ごとに違う前提で埋められます
  3. 返ってきた見積もりは、金額の前に含まれる範囲を並べます
  4. 範囲が違うものは、揃えたうえでもう一度出してもらいます

金額の低い見積もりが、範囲の狭い見積もりであることは珍しくありません。範囲を揃えないまま最も安いものを選ぶと、足りない部分が公開の前後に追加費用として出てきます。

依頼しないほうが合う場合もあります

エラツクは9種類の作り方を並べていて、制作会社に依頼はそのうちの1つです。向く条件として挙げているのは「社内に作る人がいない」と「要件が固まっていない」の2つで、それ以外の条件では自分で作る方法も候補に入ります。

  • ページ数が少なく、載せる内容がすでに決まっている
  • 公開後に自分で頻繁に書き換えたい
  • 毎月の費用を小さく抑えたい

依頼と自作は、どちらかに決めきる必要もありません。最初の設計と制作だけを依頼して、公開後の更新は自社で行う分け方もできます。その場合は、管理画面付きで納品してほしいことを最初の相談で伝えておきます。

自分の条件でどの作り方が候補になるかは、無料の診断で確かめられます。順位は回答だけから決めており、広告や紹介料の有無は影響しません。

まとめ

  • 「どこに頼むか」より「何を決めてから頼むか」で結果が変わります
  • 見積もりは金額の前に、含まれる範囲を並べて比べます
  • ドメイン・サーバー・管理画面・データを、契約の前に確認します
  • 公開後に誰が更新するかを、契約時に決めておきます
  • そもそも依頼が必要かどうかも、比べたうえで決められます

作り方そのものから比べたい場合は作り方の比較を、条件から候補を出したい場合は診断を使ってください。

なお、エラツク自身もホームページ制作の代行と相談を受け付けています。これは比較の対象として並べている制作会社ではなく、私たち自身の受託窓口です。この記事は依頼先としてエラツクを勧めるためのものではありませんので、必要だと思われたときだけご利用ください。