
リニューアルが必要かどうかは、困っていることといまのサイトで対応できる範囲で決まります。公開してからの年数や、当てはまる症状の数だけでは決まりません。
この記事では、いまのサイトに手を入れることを修正、サイトを一から作ることを作り直しと呼びます。リニューアルは、その両方を含む言い方として使われています。
記事の中で引いた公式ページの記載は、2026年9月13日に確認しました。
1. 困っていることをいまのサイトのまま直せるかで分ける
判断の流れは次の図のとおりです。困っていること(見た目が古い、スマホで崩れる、更新が止まっている、など)を 1 つ持って、上から順に 4 つの問いに答えます。問い 2 と問い 3 の答えは、3 節の困りごとの表(困っていることごとに、確かめることと対応を並べた表)で確かめられます。
「フォームで送られた内容が届かない」「自動で更新されない契約の期限が近い」といった急ぐものは、判断とは切り離して先に直します。そのうえで残りを次の3つに分けます。
- 直さない。内容が正しく、サイトが役割を果たしている
- いまのサイトのまま直す。管理画面か、いまの担当者への依頼で部分の修正として対応できる
- 作り直しを検討する。管理画面の無いサイトの全体が崩れている、テーマを替えても直らない、またはいまの方法では満たせない条件がある(更新する人・必要な機能・予算)
サイトの役割そのものが無くなっている場合は、直す前にそもそも要るかを考えます(ホームページは本当に必要?)。直す前に、何が改善したら済んだとするか(フォームが届く、スマホで読める、など)を決めておきます。
2. 判断する前に、誰がサイトを直せるかを確かめる
全部を調べてからでなくてよく、3 節の困りごとの表を先に見て、自分の困りごとに関わるものだけ確かめても足ります。
構築方法が分からないときは、制作会社か契約書で確かめます。ログインして文章や写真を直せる画面があるか、または制作会社がファイルを置き換える形で更新していたかを見ます。後者なら、管理画面の無いサイトです。
2-1. 管理画面のログインと権限
サービスによっては、内容の編集・見た目の変更・公開・契約の管理の権限が分かれています。ログインできても全部の操作ができるとは限りません。自分のログインでできる操作の範囲を制作会社に書面で聞くのが確実です。
2-2. ドメインとサーバーの契約者
契約書や請求書、または制作会社への確認で分かります。サーバーとドメインは別の契約であることが多く、その違いはレンタルサーバーとドメインの違いにまとめています。ドメインの登録者が誰かは、契約しているドメインの会社の管理画面か、その会社への問い合わせで分かります。請求書の宛名は支払う人で、登録者と違うことがあります。登録者が制作会社になっていると、その会社が手続きに応じない限り、自分の名義へ移せないことがあります。
2-3. 元の原稿・画像・バックアップの所在
原稿や画像、バックアップが手元にあるなら、集め直す手間が減ります。ただし、古い原稿や小さい画像はそのまま使えないことがあります。所在を先に確かめておきます。
2-4. 制作会社と連絡が取れないとき
契約者が自分なら、サーバーやドメインの会社に本人確認をして、ログインの再発行を頼めます。契約者が制作会社なら、その会社が応じないと動かせません。手元にある原稿と画像を先に集めます。保守の担当だけを別の人に替える道もありますが、その人が使うログインを用意できることが条件です。連絡が取れないことだけを理由に作り直すのではなく、権限と素材を確保できるかを先に確かめます。持ち出せる範囲は、事前に確認しておきます(ホームページを他のサービスへ移せるか)。
3. 困っていることごとに、まず確かめることと対応を分ける
次の表をこの記事では困りごとの表と呼びます。左の列で自分の困っていることを探します。
| 困っていること | いまのサイトのまま直せるとき | 作り直しを検討するとき |
|---|---|---|
| 見た目が古い | 写真やテーマの差し替えで直る | 管理画面が無く、直せる人もいない |
| スマホで崩れる | 一部のページだけ崩れている | 全体が崩れ、管理画面が無い |
| アドレスが http のまま | サーバーで無料の SSL を使える | 使えず、サーバーごと見直す |
| 内容が古い・更新が止まっている | 直せる人と手順がある | ソフトやテーマの更新が終わった |
| フォームが動かない・連絡先が違う | いま直す。判断を待たない | 作り直しの理由にはしない |
| 問い合わせが来ない・検索に出ない | 原因を 4 つに分けて確かめる | 原因が分かるまで作り直さない |
| 予約・販売・会員を足したい | 外部ページへの案内で足りる | サイト内で完結させたいが足せない |
| 契約が終わる | 保守だけ終わる。担い手を探す | サーバーやドメインも終わる |
困りごとが複数あるときは、1つでも右の列に当たれば、ほかもまとめて作り直しの中で直せるかを見ます。
WordPress の場合、文言を直す作業と、テーマを丸ごと差し替える作業は、手間が違います。テーマの差し替えには、バックアップのほかに、試しの環境での確認、プラグインとの相性の確認、メニューなどの設定のやり直しが要ります。WordPress 公式のテーマを切り替える手順の説明でも、最初にサイトのバックアップを取ることを案内しています(WordPress のテーマ移行の手順)。
更新を自分で再開できないなら、止まった原因を切り分けます(ホームページの更新が続かないのはなぜ?)。ソフトやテーマの更新の提供が終わっているかは、テーマの配布元の案内か、制作会社への確認で見ます。管理画面の更新の欄は、新しい版があるかを示すだけです。サイト作成サービスでは、ソフトの更新は提供元が行うので、この確認は WordPress と管理画面の無いサイトに当たります。
http のままなら料金ページで無料独自 SSL の記載を見ます。エックスサーバーは「無料独自SSL」と案内しています(エックスサーバーの料金)。ジンドゥーは「常時 SSL 対応」と案内しています(ジンドゥーの料金)。記載は機能の有無を示すだけで、使えるかと設定は別に確かめます。https に切り替えたら、http のアドレスからの転送も要ります。ページの中で http のまま読み込んでいる画像があればそこも直します。転送とは、古いアドレスから新しいアドレスへ自動で送る設定で、詳しくは 5-1 の「残せるもの」に書いています。
予約や会員限定ページ、販売を足したい場合は、外部のページへ案内するだけなら追加は小さく、サイトの中で予約や購入まで完結させるなら作業が増えます。予約や会員向けのページで扱える範囲はホームページに予約と会員限定ページを付けるに、販売はネットショップの始め方にまとめています。
検索に出ないのは流入の問題で、訪問はあるのに問い合わせにならないのは内容・案内・フォームの問題です。次の4つを順に確かめます。
- 流入: 自社名で検索して、自分のサイトが出るか。これは最低限の確認で、知らない人に見つけてもらえるかは別
- 内容: サービスの内容と連絡先が最新か
- 案内: どのページからも、問い合わせ先がすぐ見つかるか
- フォーム: 自分で送って、届くか
アクセスの記録を見られるか(仕組みが無いのか、見る権限が無いのか)も確かめます。無ければ、まず記録を取れるようにします。原因が分かるのは記録が溜まってからです。
制作会社からリニューアルの提案を受けている場合は、契約の前に次を聞きます。
- どの困りごとを解消する提案か
- 部分の修正では解決しない理由
- 部分の修正で済ませた場合との、費用と今後の手間の違い
4. 急いで直すものと作り直す時期を分ける
公開から3〜5年を目安として挙げる記事があります。ロリポップは「開設や前回のリニューアルから3~5年程度がリニューアルの目安」と書いています(ロリポップのリニューアルの記事)。年数はきっかけになりますが、それだけでは決まりません。
作り直す時期は、素材が揃う時期、担当者が動ける時期、繁忙期、契約の期限、制作にかかる期間と公開したい期日から逆算して決めます。契約の期限はサーバーとドメインにあり、担当者が別なら双方に確かめます。
5. 作り直すなら、残せるものと切り替えの作業を先に確かめる
作り直しには、同じ構築方法のまま作り直す場合と構築方法を変える場合があります。同じ構築方法のまま作り直すのは管理画面の無いサイトの全体が崩れているときや、更新が止まったテーマを別のテーマに替えても直らないときです。構築方法を変えるのはいまの方法では満たせない、または満たしにくい条件があるときです(更新する人・必要な機能・予算)。判断を分ける条件はサイトの作り方はどう選ぶ?にまとめています。
5-1. 残せるもの
ドメインは、登録者が自分か、制作会社が名義の変更に応じてくれて、移り先で独自ドメインを使えれば残せます(独自ドメインの取り方と費用)。切り替えの設定は、ドメインの管理画面に入れる人が行います。ドメインの向き先を新しいサーバーへ変えるとき、メールの設定を一緒に移さないとメールが届かなくなることがあります。
ドメインが同じでも、ページごとのアドレスや http から https への変更があると移転にあたり、転送の設定が要ります。転送とは、古いアドレスを開いた人を新しいアドレスへ自動で送る設定です。Google は、変更は一度に1つにすること(アドレスの変更とデザインの変更を同時にしない)とアクセスの少ない時間帯に作業することを勧めています(Google のサイト移転のガイド)。転送を設定しても移転のあと検索の順位が一時的に変動することがあります。旧 URL 側で転送を設定できるかを先に確かめます。
5-2. 持ち出せるもの
原稿・画像・商品データを持ち出せるかは、構築方法によって、標準の機能で書き出せる・条件が付く・書き出せないと明記、の3段階に分かれます(ホームページを他のサービスへ移せるか)。予約の履歴や会員の情報、注文の記録も対象に含めます。持ち出せても移り先で読み込めるかは別に確かめます。デザインは、サービスをまたいで持ち出せないことが多いです。書き出す機能があっても書き出されるのは中身で、見た目の作りは含まれないことが多いためです。WordPress どうしなら、ファイルとデータベースを移して設定を直せば、デザインも引き継げます(WordPress のバックアップの説明)。
5-3. 切り替えの作業
旧サイトの表示をいつやめるか、契約をいつ解約するか、移行中に入った予約や注文をどう扱うかを決めます。公開したら、フォーム・メール・転送先が正しく動くかを確認します。新しいサイトを公開するまでの工程は、新規で作るときと共通する部分が多くあります(ホームページを作る流れ)。
5-4. 費用は、サービスの料金と切り替えの作業を分けて見る
制作会社に依頼する費用は、会社と作業の範囲で変わり、見積もりで決まります。見積もりは、金額と一緒に、移行・転送・素材の整理・公開後の確認が含まれているかを見ます(ホームページ制作会社の選び方)。自分で作り直す場合は、サービスの料金(ホームページの費用はいくら?、料金一覧)のほかに、旧サイトとの二重契約の費用、素材を整理する手間、自分で作る時間がかかります。
6. 判断の結果ごとの次の行動
- 直さない場合は、内容と連絡先が最新かだけを確かめて、そのまま使います
- いまのサイトのまま直す場合は、管理画面で直すか、担当者へ直す箇所を具体的に依頼します
- 更新の体制が原因の場合は、ホームページの更新が続かないのはなぜ?で体制の見直し方を扱っています
- 作り直しを検討する場合は、5 節で残せるものと切り替えの作業を確かめます。構築方法を変えるなら、構築方法の診断で、これからの目的・予算・更新体制に合う候補を絞れます。診断は、いまのサイトを作り直すべきかには答えません。候補を自分で比べたい場合は構築方法の比較で並べて見られます
- 依頼する場合は、ホームページ制作会社の選び方を確認したうえでエラツクの相談窓口も利用できます
- 自分では判断できない場合は、表のどの行に当たり、何を確かめた結果どうだったかを書き出して、制作会社かエラツクの相談窓口に見せます