公開したあと更新が止まってしまうことは、担当者のやる気の問題として語られがちです。ただ、止まった経緯をたどると更新の手順がその人の状況に合っていなかった、という形のほうがよく見つかります。

構築方法を決めた時点で公開後の更新手順もおおよそ決まります。この記事では「どのくらいの頻度で更新するか」と「誰が更新するか」の2つを軸に構築方法をどう見ればよいかを整理します。構築方法を分ける条件は、更新のほかにもあり、全体は、サイトの作り方はどう選ぶ?判断を分ける5つの条件にまとめています。

この記事では保守や更新代行の金額を扱いません。編集できる人数の上限は、各社の公式ページから2026年8月2日に確認したものです。

更新が止まるのは手順が合っていないとき

更新が止まる場面は、大きく3つに分かれます。

止まり方そのとき起きていること決まる場所
手順が手に負えないソースを書き換えて公開し直す必要がある。管理画面から直せる範囲が狭い構築方法
手順は分かるが手が回らない1回の更新に時間がかかる。誰が書いて誰が確認するかが決まっていない運用の決めごと
自分では変えられない文言ひとつ直すにも依頼が要る。ログイン情報が手元にない契約と引き継ぎ

1つ目と3つ目は、公開したあとに気合いで取り返せるものではありません。構築方法と契約の内容がそのまま出ています。2つ目だけが体制の決めごとで縮められる部分です。

診断が更新について2問聞く理由

エラツクの診断は、更新について2つ質問します。

設問選択肢
公開後、どのくらい更新しますか?ほとんど更新しない / 月に数回 / 週に数回 / ほぼ毎日
サイトを更新するのは誰ですか?自分ひとりで更新する / 社内の数人で更新する / 社内の多くの人が更新する / 外部に任せたい / まだ決めていない

2問に分けているのは動くものが違うためです。

  • 頻度は、更新のしやすさの差をどれだけ重く見るかを変えます。ほとんど更新しないなら管理画面の使い勝手は、順位にあまり効きません
  • 更新者は、保守の手間を誰が持つかと必要なアカウント数を変えます。外部に任せるなら管理画面の使い勝手は、本人には効きません

同じ「週に数回更新したい」でも自分で書くのか原稿を渡して任せるのかで向く構築方法は、変わります。

更新のしやすさと保守の手間は別の軸

似た話に見えますが、指しているものが違います。エラツクでは次のように分けて5段階で評価しています。この評価は、エラツクの判断で、点数の理由は、比較ページに併記しています。

5 のとき1 のとき
更新のしやすさ管理画面から編集して公開まで完結します。サーバーにもコードにも触れません公開後に内容を書き換える手段が用意されていません
保守の手間の少なさサーバーもソフトウェアも事業者が更新します動かす環境から自分で用意して維持します

構築方法ごとの点数は、次のとおりです。

構築方法更新のしやすさ保守の手間の少なさ
WordPress(レンタルサーバー)42
STUDIO55
Wix55
ペライチ55
ジンドゥー(Jimdo)55
Shopify44
BASE55
静的サイト(自作・独自開発)23
制作会社に依頼33

2つの列がずれているところに判断の分かれ目があります。

WordPress は、記事もページも管理画面から追加できる一方で、本体・テーマ・プラグインの更新とサーバー側の設定が利用者の責任範囲に入ります。書くのは楽でも放っておける仕組みではありません。ノーコードのサービスは、この更新作業をサービス側が持つため、保守の列が高く出ます。

Shopify は、商品と在庫を管理画面から更新できますが、追加したアプリの管理は、利用者側に残ります。静的サイトは、更新にソースの編集と再公開が要るぶん更新のしやすさが低く、配信そのものは、任せられるので、保守は、中ほどになります。制作会社に依頼した場合の2つの列は、納品された仕組みと保守契約の有無で決まります。

すでに公開しているサイトの更新が止まっていて、直すか作り直すかを決めかねている場合は、ホームページのリニューアルは必要?で、困りごとごとに確かめることを整理しています。

誰が更新するかで見るところが変わる

自分ひとりで更新する

管理画面から書き換えて公開まで終わるかどうかを最初に見てください。ソースの編集と再公開が要る構築方法は、専門知識のない本人が続ける前提には向きません。

保守の列も同時に見ます。更新の作業に加えてソフトウェアの更新まで自分に残ると続ける負担は、2倍ではなく、詰まりやすい箇所が2か所になるという意味で効いてきます。

社内の数人で更新する

人数を先に数えてください。編集できる人数に上限があるサービスがあります。

Wix は、プランごとにサイト管理者の数が決まっており、パーソナルは、最大2名、スモールビジネスは、最大5名、ビジネスは、最大10名、ビジネスプライムは、最大100名です(Wix プレミアムプラン)。3人で分担するつもりでパーソナルを選ぶと公開後にプランを上げることになります。STUDIO は、招待ユーザー数が全プラン無制限と記載されています(STUDIO 料金)。

診断で「社内の数人で更新する」を選ぶと人数の上限を満たすプランを選んで結果に出します。上限が公開されていないプランは、書かれていないことを理由に落とすことはしません。人数は、決まりきっていなくても多めに見積もっておくほうが安全です。

外部に任せる

管理画面の使い勝手は、本人には効きません。代わりに、契約の内容が更新の速さをそのまま決めます。

依頼する前提なら次の3点を契約時に確かめてください。

  • 更新を頼める範囲(文言だけか、ページの追加も含むか)
  • 依頼から公開までにかかる日数
  • 自分たちでも直せる部分が残るかどうか

依頼と自社更新を混ぜる形は、よく機能します。お知らせは、自分で足し、レイアウトを変えるときだけ依頼する、という分け方です。この形にするには、納品時に管理画面を受け取れる構築方法かどうかを先に確認する必要があります。

ほとんど更新しないなら更新のしやすさは優先しなくてよい

会社案内を年に1回直す程度なら更新画面の使い勝手で構築方法を選ぶ必要は、ありません。むしろ公開までの手間の少なさや放っておいても壊れにくいことのほうが効きます。

「更新しないサイトは、作らないほうがいい」とまでは言えません。営業先や採用の応募者が会社を確かめる場としては、内容が正しく載っていれば役目を果たします。ただしその場合でも次の2つは、止まらないようにしてください。

  • サーバーとドメインの契約更新。期限が切れるとサイトが表示されなくなることがあります
  • 電話番号・住所・料金など、実態と食い違うと困る情報

更新しない前提で選ぶならソフトウェアの更新が自分に残らない構築方法のほうが安全です。更新の作業が発生しないサイトほど管理画面を開く機会がなくなるため、ソフトウェアの更新の通知にも気づきにくくなる可能性があります。

保守の費用は、何を引き取ってもらうかで変わる

保守を依頼するとき、金額の妥当性は、「その構築方法で自分側に残る作業のうち、どれを引き取ってもらえるか」を見ないと判断できません。上の表の右の列が低いほど、引き取ってもらう対象が多くなります。

見積もりを見るときは、次のどれが含まれるかを分けて確かめてください。

作業誰に残りやすいか
サーバーの契約と設定WordPress や独自開発では自分側
本体・テーマ・プラグインの更新WordPress では自分側。ノーコードでは事業者側
追加した機能やアプリの管理追加した本人
中身(文章・写真・料金)の差し替え契約に含めない限り自分側

制作会社の費用は、依頼内容と会社によって変わり、公表されている料金がありません。エラツクでは金額を出しておらず、実際の費用は、見積もりで確認していただく前提にしています。費用の考え方と月々かかり続けるものの内訳は、ホームページの費用にまとめました。

続けるために先に決めておくこと

構築方法が合っていても決めごとが無いと2つ目の止まり方(手が回らない)が起きます。公開の前に次を紙に書ける程度に決めておくと変わります。

決めること決めておかないと起きること
誰が書き、誰が確認して公開するか書いた原稿が確認待ちのまま止まる
どの頻度で何を出すか出すものが毎回ゼロから決まらず、着手までが長くなる
ログイン情報をどこに置くか担当が変わったときに誰も入れなくなる
詰まったときの相談先表示が崩れた時点で放置される

頻度は、続けられる線まで下げてかまいません。週に何度もと決めて2か月で止まるより月に1回を守れるほうが、結果として載っている情報は新しくなります。

自分の条件で確かめる

更新の頻度と体制は、目的や予算と同じくらい構築方法の順位を動かします。エラツクの診断は、9つの質問のうち2つをここに使い、更新のしやすさと保守の手間の両方を採点に入れています。順位は、回答だけから決めており、広告や紹介料の有無は、影響しません。

構築方法ごとの点数とその点数になった理由を先に見たい場合は、比較ページに並べてあります。