
WordPress と STUDIO のどちらにするかは、機能の多さでは決まりません。更新を誰が続けるか、あとから何を足すか、途中で別のサービスへ移る可能性があるかで、向き不向きが入れ替わります。
この記事は、この2つに絞って違いを並べたものです。9種類の作り方をまたいだ判断軸はサイトの作り方はどう選ぶ?にあります。全体の軸を先に読んでから、この記事で2つに当てはめると迷いにくくなります。
金額は各社の公式の料金ページから取得したものです。STUDIO とさくらのレンタルサーバは2026年8月2日、エックスサーバーは2026年8月4日時点の表記を使っています。料金は改定されるため、契約の前に各社の最新のページをご確認ください。
違いは「何を自分で持つか」
2つは同じ「サイトを作る手段」ですが、契約の相手も、動かす場所も、自分に残る作業も違います。
| 比べる点 | WordPress | STUDIO |
|---|---|---|
| 動かす場所 | 自分で借りたレンタルサーバー | STUDIO のサービス上 |
| 契約する相手 | サーバー事業者。複数の会社から選べます | STUDIO の1社 |
| 費用のかかり方 | サーバー代と独自ドメイン代 | プラン料金 |
| 自分に残る作業 | 本体・テーマ・プラグインの更新とサーバーの設定 | サイトの中身の更新だけ |
| 機能の足し方 | プラグインで後から足します | 標準機能の範囲と API 連携 |
| 公開できるページ数 | 上限はありません | プランごとに上限があります |
WordPress は動かす場所を自分で選ぶ代わりに、動かし続ける責任も自分に来ます。STUDIO は動かす場所を持たない代わりに、できることの範囲が契約したプランで決まります。この非対称が、以下のすべての違いの元になっています。
5つの軸で比べる
エラツクは、費用以外の違いを5つの軸で5段階に評価しています。この点数は各社が公表した数字ではなく、公開情報をもとにしたエラツクの判断です。段階の定義は作り方の比較に出しています。
| 軸 | WordPress | STUDIO |
|---|---|---|
| 公開後の更新のしやすさ | 4 | 5 |
| デザインの自由度 | 4 | 5 |
| 機能の拡張・外部連携 | 5 | 3 |
| 保守の手間の少なさ | 2 | 5 |
| ネット販売への対応 | 3 | 1 |
点数だけでは判断できないため、その評価になった理由を並べます。
- 公開後の更新のしやすさ。WordPress は管理画面から記事とページを追加できますが、テーマやプラグインの更新作業が利用者側に残ります。STUDIO は画面を見たまま編集でき、CMS で記事を追加でき、公開はボタン操作で終わります
- デザインの自由度。WordPress はテーマを選ぶか、HTML・CSS・PHP を編集して作り込めます。既製テーマのままだと他のサイトと似た見た目になります。STUDIO はボックスと余白を直接操作してレイアウトを組め、Figma からの取り込みにも対応しています
- 機能の拡張・外部連携。WordPress はプラグインで問い合わせ・予約・会員・多言語などを後から足せます。STUDIO はフォーム・CMS・SEO 設定が標準で使える一方、API 連携の数に上限があります
- 保守の手間の少なさ。WordPress は本体・テーマ・プラグインの更新とサーバー側の設定が利用者の責任範囲に入ります。STUDIO はサーバーとソフトウェアの更新を STUDIO 側が行うため、更新作業が残りません
- ネット販売への対応。WordPress はプラグインで販売機能を追加できますが、決済・在庫・配送の設定は自分で組む必要があります。STUDIO の料金ページには販売・決済のプラン項目がありません
差が最も大きいのは保守の手間で、2と5になっています。エラツクの定義では2は「本体・拡張・サーバーの更新が、すべて自分の責任になります」、5は「サーバーもソフトウェアも事業者が更新します」です。ここは好みではなく、更新を続ける人がいるかどうかで決まります。
費用は金額より「形」が違う
月額だけを並べると近い数字になりますが、何に払っているかが違います。
WordPress そのものの利用料はなく、払うのはサーバー代と独自ドメイン代です。同じ WordPress でもサーバー事業者を選べるため、金額は選んだ会社と契約期間で変わります。
- さくらのレンタルサーバ スタンダードは、36か月一括18,000円で月額換算500円(税込)です。毎月払いにすると660円(税込)になります(料金プラン)
- エックスサーバー スタンダードは、36か月契約で月額693円(税込)です。ただしこれは2026年8月4日17:00から9月7日17:00までのキャンペーン価格で、キャンペーン前の表示は990円と書かれています(料金プラン)
長い契約ほど月額が下がる代わりに、期間分を先に払い、途中でやめにくくなります。サーバー7社の月額と契約条件はWordPress を動かすサーバーの比較にまとめています。
STUDIO は月額に置き場所も更新作業も含まれる代わりに、プランごとに公開できるページ数が決まります。年払いと月払いで月額が変わる点にも注意が必要です。
- Mini は年払いで月590円、月払いなら1,290円です。公開できるページ数は2ページと「404」ページです(料金プラン)
- Personal は年払いで月1,190円、月払いなら1,720円です。公開できるページ数は150ページです(料金プラン)
いずれも税の扱いが料金ページに書かれていないため、当サイトでは税込・税別のどちらとも断定していません。月0円の Free プランもありますが、独自ドメイン接続は Mini の追加機能として記載されており、Free の欄にはありません(料金プラン)。
つまり、ページ数が数ページで収まるなら STUDIO の月額はサーバー代と近い水準になり、ページ数が増えると上のプランへ動きます。WordPress はページ数が増えても月額が変わらない代わりに、更新作業の時間が費用の外にかかります。3年で見た総額は利用年数や独自ドメインの種類でも変わるので、料金シミュレーションで自分の条件を入れて確かめてください。
STUDIO のプラン全体と制限はSTUDIO の料金プランと向いているサイトにまとめています。こちらはサービス紹介の記事で、リンクから紹介料が発生する場合があります。ページにも広告表記が出ます。STUDIO 以外のノーコードも見るなら、中立の比較はノーコードツールの比較にあります。
機能の足し方が違う
エラツクは、機能をどう実現できるかを4段階で整理しています。「あとから足せる」と「最初からある」を同じ扱いにしないためです。
| 機能 | WordPress | STUDIO |
|---|---|---|
| ブログ・お知らせ | 標準機能 | 標準機能 |
| 問い合わせフォーム | 追加で利用可能 | 標準機能 |
| 予約受付 | 追加で利用可能 | 作り込みが必要 |
| 商品の販売・決済 | 追加で利用可能 | 対応手段なし |
| 会員機能 | 追加で利用可能 | 作り込みが必要 |
| 多言語対応 | 追加で利用可能 | 作り込みが必要 |
読み方は3つあります。
- 問い合わせフォームは STUDIO が標準機能で、WordPress はプラグインを入れて設定します。すぐ使い始めたいなら STUDIO のほうが手数が少なくなります
- 予約・会員・多言語は、WordPress ならプラグインで足せますが、STUDIO では作り込みが必要になります。外部のサービスを埋め込むなどの手段を自分で用意することになります
- 商品の販売・決済は、STUDIO の料金ページに項目がないため「対応手段なし」としています。売るのが主目的なら、この時点で STUDIO は候補から外れます
外部システムとの連携が要る場合は、STUDIO では API 連携の付くプランを見ることになります。Business は年払いで月3,980円、月払いなら5,460円で、API 連携は1件です(料金プラン)。連携先が複数あるなら、この上限が先に効いてくる可能性があります。
持ち出せるかが正反対
契約する前に知っておきたい違いがもう1つあります。作ったものを他へ移せるかどうかが、2つで逆になっています。
WordPress は管理画面のツールからエクスポートすると、投稿・固定ページ・コメント・カスタムフィールド・カテゴリー・タグなどが1つのファイルにまとまります。公式のサポート文書では、この形式を「WordPress eXtended RSS または WXR ファイル」と呼んでいます(エクスポート画面)。別の WordPress サイトへそのまま取り込めるため、サーバー会社を変えても作り直しにはなりません。
STUDIO は公式ヘルプに「Studioで作成したサイトのCMSデータやデザインデータのエクスポート機能は現在提供しておりません」と書かれています(公式ヘルプ)。別のサービスへ移るときは、ページを作り直すことになります。
これは「STUDIO が不利」という話ではなく、判断の時点が違うという話です。STUDIO を選ぶなら、移る可能性を織り込んだうえで選ぶことになります。逆に、数年後の体制がまだ決まっていない場合は、持ち出せるほうが決定を先送りできます。
持ち出しやすさは、この2つ以外の作り方でも分かれます。何を持ち出したいのか、書き出せても移った先で使えるのかまで含めた整理はホームページを他のサービスへ移せるかにあります。
条件ごとの向き不向き
ここまでの違いを、決め手になりやすい条件から並べ直します。どれも1つで決まるものではなく、複数が重なったときに片方へ寄ります。
- 更新する人が Web の専門家ではなく、保守を任せたい場合は STUDIO が向きます。WordPress は本体・テーマ・プラグインの更新が止まると、脆弱性が残ったままになります
- 商品を売りたい場合、STUDIO は候補から外れます。ただし WordPress も決済・在庫・配送を自分で組むことになるため、販売が主目的ならネットショップ専業のサービスも含めて比較ページで見てください
- 予約・会員・多言語のどれかが必要で、外部サービスの埋め込みで済ませたくない場合は WordPress のほうが手段が用意されています
- ページ数が数ページで、見た目を作り込みたい場合は STUDIO が向きます。ボックスと余白を直接動かせるため、テンプレートに流し込む形にはなりません
- 記事や実績を長く増やし続ける予定なら、ページ数の上限がない WordPress のほうが後から詰まりにくくなります。STUDIO でも Personal の150ページで足りるなら問題にはなりません
- 数年後に別のサービスへ移るかもしれない場合は、持ち出せる WordPress のほうが選び直しやすくなります
費用については、どちらが安いと言い切れません。ページ数・契約期間・独自ドメインの扱いで金額が入れ替わるためです。自分の条件で並べるなら料金シミュレーションを使ってください。
決めきれないとき
2つに絞りきれていない場合、そもそも他の作り方のほうが条件に合っている可能性があります。エラツクは9種類を同じ評価軸で並べており、作り方の比較で費用と向き不向きを横に見られます。
条件のほうが固まっていない場合は、無料の診断が9つの質問から候補を採点します。順位は回答と各社の公開情報だけから決めており、紹介料の有無は影響しません。満たせない条件があるときは、その理由も表示します。